前回の記事で、邦楽の360°MVについてお話しさせていただいたので、今回は、洋楽の360°MVを5つご紹介させていただきたいと思います。
カメラ固定型
Bjork「Stonemilker」
まずは日本科学未来館でVRイベントも開催したBjorkのMV。なによりロケ地が素晴らしく、神秘的な曲の世界観にとても合っています。
エフェクトはほとんど使用されていないものの、Bjorkが増殖していく演出で見どころを作ってくれています。
Mind Enterprises 「Chapita」
こちらもダンサーが増殖していくタイプのMV。一つ一つの細かい動作をループし、重ねていくことで、視覚的なグルーヴ感を生んでいます。衣装の形が色によって違うのに、動作は同じだったりしてとても不思議です。(撮影も編集も大変そう…!)
Avicii「waiting for love」
どこでもドアのような8つの扉から、ダンサーが出現するMV。(Avicii本人も何度か登場しているとのこと。)
曲に合わせて色調が変化したり、ワンカットに見える演出処理がとてもカッコいいです。360°映像は、同時多発的に何かが起こる、演劇的なものと相性がいいのでは?と思わせてくれる、素敵なMVです。
ワンカット撮影
Noa Neal 「Graffiti」
スティッチングソフトなどを開発しているKolar社のHPに掲載されてるMV。ポップな楽曲に合わせた、ダンサブルなパレードを、ワンカット(リハーサルが大変そう!)で撮影しています。4Kのクリアな映像で見ると、とてもハッピーな気分になれます。
フルCG
Squarepusher「Stor Eiglass」
ドラッギーな色彩感覚や、使われている音の質感が、90年代のゲームのようなこちらのMVは、一度ハマるとずっと見続けてしまいそうです。顔の位置にカメラがあるというPOV設定なのか、真下を見ると首の骨らしきものが見えます。フルCGの場合、カメラの動きが重力と無関係に構築できるので、かなり中毒性の高い仕上がりになるのではないでしょうか。
楽曲の雰囲気によって、映像の演出方法も変化するのがMVの大きな特徴です。相乗効果で素晴らしい作品が生まれるためには、技術への関心や過去の作品のレビューが必要になってくるのではないでしょうか。
(担当:田中)