VRコンテンツの制作
2016年はVR元年といわれ、360°で楽しむことのできるコンテンツに、これまで以上に関心が寄せられた1年でした。視聴環境が整ったことで、制作でも様々な技術革新が起こっています。
これまで、360°の映像制作は、高価な撮影機材を必要としたり、編集や撮影に関する特別な知識や技能が要求されたりする側面が強く、チャレンジするにはハードルが高い印象がありましたが、最近では安価な撮影機材も数多く販売されています。
<参考:主な360°カメラ>
例えば、上の図のエントリークラスの機材(THETA SやGear 360)は、個人制作の動画クリエイターにも手を出しやすい価格帯で、難しい操作もあまり必要とせず、手軽に360°の映像撮影を始めることができるようになっています。
360°動画制作のワークフロー
360°の動画制作は、一般的に上記のようなワークフローで行われています。
通常の動画制作のプロセスに加えて、「ステッチ」という、複数台のカメラで撮影した素材を、1つの映像に合成する工程が必要ですが、多くの場合は、専用のソフトで処理ができるようになっています。
また、Premiere Pro CCが360°の動画編集に対応したことで、これまでの編集のノウハウを360°の動画編集にも活かすことができるようになりました。
実際に動画をつくるには?
このように、近年は撮影と編集の両方で、360°動画制作のハードルが下がってきており、初心者でもチャレンジしやすい環境が整ってきているといえます。
しかし、通常の動画制作に比べるとまだまだポピュラーとはいえないため、独学で細かいテクニックを学びながら映像を作っていくのは大変そう、という方もいらっしゃるのではないでしょうか。たとえば、記録メディアは何を使っているのか、撮影中のプレビューはどうするのか、書き出しの設定は……などなど、やってみなければわからないことが、いろいろありそうです。
そこで、ここでは、「360°で映像を作ってみたい!でもどうやって作ればいいのかわからない…。」という方に向けて、弊社の360°PVの制作プロセスを、各工程のポイントやコツなどと一緒にご紹介していくことで、360°動画制作の際の参考にしていただきたいと思っています。
今回、PV制作でコラボレーションしたのはこちらのアーティスト。
P.O.P(ピーオーピー)
双子の上鈴木タカヒロ(MC・兄)、上鈴木伯周(MC・弟)と、さいとうりょうじ(ギタリスト・作曲家)の3人が率いるラップグループ。
上鈴木兄弟は映画『SR サイタマノラッパー』シリーズ全編においてラップ監修・指導を担当し、伯周はTKD先輩としても出演。また、NHK Eテレ「ムジカ・ピッコリーノ」「シャキーン!(インキー&ヨウキー)」、日本テレビ系テレビドラマ「レンタル救世主」、企業CMなどへの楽曲提供・ラップ監修を務め、幅広い年代にラップを届けている。
さいとうりょうじはP.O.Pのサウンド全体を担う中、テレビ東京系ドラマ「ナイトヒーローNAOTO」への楽曲提供、ドラマ「吉祥寺だけが住みたい街だけですか?」の劇中音楽を担当。2016年には初ソロアルバム「ME AND SIX STRINGS」をリリース(iTunesブルースアルバム・チャート1位獲得)するなどトラックメイカーとして、同時にギタリストとしても高い評価を得る。2014年、BIKKE(TOKYO No.1 SOUL SET)、中塚武、Small Circle of Friends、DARTHREIDERが参加した1stアルバム「たのしいことばかりありますように」を発表。2015年には、椎名純平、タイの国民的歌手STAMPなどを迎えた2ndアルバム「おかあさんにきいてみないとわからない」をリリース。同年開催されたSUMMER SONICに出演するなど全国各地でライブを行っており、ライムスター宇多丸ナビゲートのラジオで取り上げられたり、NHK BSドラマ「植物男子ベランダー」ではいとうせいこうとのコラボやダイノジ主催のフェスに出演するなど有名文化人からの評価も高い。
ライブで観客にビールを配りまくるスタイルが興じて、双子の地元宇都宮のブルワリーとコラボでオリジナルビールをリリース。右手にビール、左手にドリームを掲げ、日々ビール外交に勤しんでいる。ライブ会場のビールを品切れにし各店舗のバー売上記録を更新中。
キーワードは「たのしいことばかりありますように」
※検索ワードは「双子 ビール」
この連載では、P.O.Pの「Beer so good」という楽曲に合わせて、360°ならではのPVを制作していきたいと思います。
次回の記事「撮影編①」では、実際の動画撮影と機材についてご紹介していきます。
(担当:田中)