はじめに
Gear360やTHETA Sなど、私でも手軽に扱えるカメラで、これまでいろいろ撮影をさせてもらっていましたが…ついに、GoPro Omniと戦う日が来ました。なぜなら…
スローモーションが撮りたいから。
(こういう、かっこいい映像、つくってみたくないですか!?)
Gear360やTHETA Sはとってもいいカメラなのですが、フレームレートが30fpsなので、ない画をつくってフレームの間を埋められる編集技術がないと編集でスローにしたときにパラパラしてしまいます…。
(ちなみにコンシューマー機の中では、Kodak SP360というカメラを使えば60fpsまでとれます。)
GoProOmniも60fpsまで撮影できるので、このカメラで撮影すれば、速度を50パーセントまで落として編集でもあまりパラパラしません。
おなじGoPro製品を使った、Freedom360というカメラは120fpsまで撮影できるそうなのですが、なにが違うんだろう…?マウントの性能でしょうか?
というわけで、今回は「スローモーションの映像撮ってみたいなあ」と思ってから、私がGoProと戦うために練った戦略について書いてみたいと思います。
私のような、感覚ではなく理詰めで考えてしまう頭でっかち気味なみなさまに、この記事を贈ります…。
何を撮るのか
対戦相手が決まったところで、撮影戦略を練っていきます。スローモーション効果が一番活きるのは、どういう撮影をしたときでしょうか。
1.一定時間で動いているもののリズムを変えたとき
たとえば、曲の雰囲気を変えるときのアイディアで、ドラムパートがBPMを変えずにスネアを打つ位置や間隔を変えたりしますよね?
そのイメージで、動きそのものを変えずに、時間を変えて「スロー」にしてみるという案がはじめに浮かびました。
現実的な撮影プランとしては、
・歩いている人を撮影する(カメラの周りをぐるっとまわると面白そうです)
・カメラを動かして撮影する(車載撮影や風景の見える展望エレベーター内での撮影など)
というところでしょうか。
( )内で360°を活かす方法をちょっとメモしてみました。
2.早い動きのものを撮影する
今度は逆に、動きの魅力を存分に見せたいときの考え方です。バラエティ番組などのスロー再生はこういった考え方に近いと思います。また、フィクションの演出方法としてはアクションシーンで拳の勢いを表現したりするときに使われていたりしますね。
現実的な撮影プランとしては、
・ジャンプして撮影(手をつないでカメラを囲んでジャンプ!とか面白そう)
………
………
………
というところでしょうか。(運動神経が悪いと、発想が貧困になるのが難点です)
今回は超超現実的に、シャボン玉を吹きながらカメラのまわりを歩いて撮影したいと思います。
(今後はジャンプの撮影とかもやってみたいなあ)
ロケ撮影について
戦い方も決まりましたので、決戦地について掘り下げて考えてみようと思います。
Omni撮影で留意しておきたいポイントとして、スティッチずれという現象への対処があります。あまりにも近距離で撮影してしまうとカメラ同士の映像がうまく組み合わされず、被写体が歪んでしまうという事態です。
そのため、たとえば、カメラの至近距離を歩いてスティッチずれをしてしまうと、せっかくの360°の魔法が解けてしまい、スローモーションどころではなくなってしまいます!!
という理由もあり、今回はロケ撮影をメインに考えてみました。
ロケ撮影のいいところ
色や背景が豊かになり、映像に奥行きが出る
「現実の時間」が映像にうつりこむ
ロケ撮影の悪いところ
室内の撮影に比べて天候などに左右されやすい
どこで撮影するかを決めるまでが結構大変
GoPro Omniならではのロケ撮影の難しさ
Gear360やTHETA Sに比べると、GoPro Omniはややハイスペックなぶん、機動性に欠ける側面があります。カメラ自体も大きくて重く、さらにバッテリーも結構重く、ケーブルや三脚も含めて持ち歩くとかなりの大荷物になってしまいます。なので、荷物をコンパクトにするためにも(自分が大変にならない工夫)、ロケ先で大荷物を広げないためにも(人に迷惑をかけない工夫)、サッと撮ってサッと帰る姿勢がとても大切だと思います。
感想(というよりは撮影篇に向けた意気込み)
この記事を書いているまさに今、外は雨です。というわけで、撮影に向けてOmniの使い方を確認し、いざ決戦!と思っていたのですが、やむなく休戦です。そんな日もあります。
ただ、撮影の前に、少し時間をかけて、段階を下げながらテーマについてひとつひとつ具体的に考えていくと、撮影で自分が何をやりたいのか(何をすればいいのか)がとてもクリアになって、これはこれでとても有益な作業だったのではないかと感じました。
では、晴耕雨読の精神で、決戦に備えたいと思います。
(担当:田中)