はじめに
前回の記事では、屋内撮影時の露出・ホワイトバランスについて色々試してみたので、今回は屋外撮影時の露出・ホワイトバランスをレビューしていきたいと思います。
360°動画の屋外撮影について
屋外での撮影は、時間帯や天気によって光の量や位置が変化します。
晴天時、通常の動画撮影であれば、逆光・測光・順光など、太陽の位置によって被写体・カメラの場所を調整することで仕上がりの印象をコントロールすることができますが、360°の撮影では光源を含めたすべてが映ってしまうため、演出意図によって露出やホワイトバランスを活かしていくことが、思い通りの映像を撮影する鍵となるのではないでしょうか。
ちなみに、この記事のための素材撮影は、1月26日15:30~40に行いました。
(この日は17:08が日没時間でした。)
今回も、撮影にはGear360を使います。
Gear360で露出・ホワイトバランスを設定
露出やホワイトバランスの設定には、「Gear360」アプリが必要です。
※アプリに対応しているスマートフォンは、「Galaxy Note7、Galaxy S7、Galaxy S7 Edge、Galaxy S6、Galaxy S6 Edge、Galaxy S6 Edge +、Galaxy Note 5」のいずれかです。
上のアイコンをタップしてアプリを起動すると、上部に以下のようなバーが表示されます。
「WB」マークでホワイトバランスを、「+-」マークで露出をそれぞれ調整することができます。
撮影してみた!
1:日中・屋外で露出を変化させる
露出の設定を+0、+1、+2、+3で撮影しました。
+0でも十分明るいのですが、影が長いので、空を撮影するのであれば+0、その他の被写体(この場合は手すりや建物など?)を撮影するのであれば+1で調整すると綺麗に撮れるのではないでしょうか。
+2、+3は、完全に白飛びしてしまっています。
ただ、+2の映像は、朝の風景のようにも見えるので、演出プランによっては、あえて露出を高めにするテクニックは使えるのではないかと思いました。
※+0と+1の撮影中に、何かが変わっていますが、お気づきでしょうか?笑
(スリッパを片付けました。)
今回は、空の色をきちんと映したいので、露出は+0の設定で、ホワイトバランスを調整していきます。
2:日中・屋外でホワイトバランスを変化させる
今回、露出を調整しながら撮影している間に、太陽の位置が変わってしまったので、「自動」設定と「晴天」設定の印象がだいぶ変わってしまいましたが、空の色と、遠くの建物の色を比較すると、どちらもほとんど色合いに差がありませんでした。(やや、「晴天」設定のほうがくっきりとした青空に見える気がします。)
「曇り」の設定では、見えている色とは少し異なりますが、夏の日の長い空の色のような自然なイメージに仕上がりました。
「蛍光灯」「白熱灯」など屋内の設定では、かなり青みが強く出ており、実際の印象と異なる、無機質で非現実的な仕上がりになりました。
「アクア」は夕暮れに見えなくもない…のですが、やはり屋外撮影では使いこなすのが難しい色調でした。
感想
屋内・屋外ともに、Gear360のホワイトバランスの自動補正は、色合いがほとんど再現されていて、とても優秀だと感じました。
風景や街並みを、動画で丸ごと持ち帰ることのできる360度カメラでの撮影は、屋内よりは、やはり屋外で撮影するのが楽しいのではないでしょうか。
今後も、様々なシーンでの撮影にチャレンジすることで、360度のカメラでも、思い通りの映像を撮ることのできるようになりたいと思います。
(担当:田中)